ダイヤモンドといえばこの形!ラウンドブリリアントカットとは?

「ダイヤモンドといえばこの形!」と誰もがイメージする、「ラウンドブリリアントカット」。
これは今から300 年ほど前、17 世紀の末ごろに生み出されたものです。

また、1919 年にダイヤモンドの世界的市場として知られるベルギーに産まれ、ダイヤモンドカッターであり数学者でもあったマーセル・トルコウスキー氏が導き出した「アイディアルラウンドブリリアントカット」は、全世界の宝飾用に使われるダイヤモンドの90%以上のカット・研磨の基本となっています。

▲ダイヤモンドは光を取り込み複雑に反射させることで、特有のキラキラとした光を放ちます。 ダイヤモンドの各部がきめ細やかにカットされているからこそ、調和のとれた美しい輝きを見せるのです

目次

カットに違いはあるの? - The difference of "57face" and "58face" ? -

通常、ラウンドブリリアントカットは58 面体にカッティングされているものがほとんどですが、
「57 面体」にカットされているものもあります。これは、「キューレット」と呼ばれるダイヤの先端部分がカットされているか、されていないかの差。つまり、キューレットから洩れる輝きまでをも追求した結果が、「57 面体」なのです!

ダイヤモンドは世界一硬い物質ですが、特徴の一つに「劈開性(へきかいせい)」が挙げられます。キューレット(先端)部分をカットすると割れてしまう危険性が高いのです。(※劈開性… 一定の側面にピンポイントで力が加わると割れやすくなる性質)

▲57面体のカットは、熟練の職人にしか不可能な至難のワザ

カットの品質を見極めるには? - What's Heart & Arrow ? -

カッティングが優れたダイヤモンドは特殊なスコープで光を当てて、ダイヤモンドの下(パビリオン側) から見るとハート型、上(クラウン側) から見るとアロー(矢)型のシルエットが浮かび上がります。これを「ハート&アロー」または「ハート&キューピッド」と言い、カットの品質を測る指標として広く知られています。

「男性の矢が女性のハートを射ぬく」というロマンティックな意味合いも、エンゲージリングを選ぶお二人にはぴったりなエピソード!細かなダイヤモンドにハート・アローの研磨を施すには、より高い技術が必要となってくるため、「センターダイヤ」と同じ様に装飾用の小さなダイヤモンド=「メレダイヤ」にまでハート・アローにこだわったものは最高品質の証です。

▲こちらがハート&アロー。美しくカットされたダイヤモンドでなければ、この模様は見られません

ダイヤモンドの価値を知るには? -What's "sarinelight" ? -

ダイヤモンドには世界的に、「4C:CARAT(重さ)、COLOR(色)、CLARITY(透明度)、CUT(カット)」という品質評価基準があります。従来までは、まったく同じ「4C」のダイヤモンドが2石あった場合、「どちらの方が輝いているか?」を判断するのは困難と言われていました。それを初めて数値化し、9 段階で評価するシステムが、「サリネ・ライト・レポート」。
ダイヤモンドに纏わるハイテク機材を世に送り出す世界的トップ企業、サリネ社が開発したマシンを使い、1ピースを360 度、あらゆる角度から撮影して、その輝きを数値化するものです。

Brilliance(ブリリアンス) :
ダイヤモンドから放たれる白色光の輝きSparkle( スパークル) :
ダイヤモンド、あるいは観測者が動く際に現れるキラキラとした輝きFire(ファイヤー) :
ダイヤモンドから放たれる鮮やかな虹色の輝きSymmetry(シンメトリー) :
ダイヤモンドから反射される光の分布の対称性

この4つの評価基準を元にしたサリネ・ライト・レポートによって、私たちはダイヤモンドの輝き、品質のレベル等を具体的に知ることが可能となりました。導入しているブランドも増えてきているので、4C だけでなく、サリネ・ライトも合わせて覚えておきましょう!

終わりに - Conclusion. -

以上、ラウンドブリリアントカットのご紹介でした!
もっともスタンダードでありながら、もっとも輝くラウンドブリリアントカット!
朽ちることのないその輝きを、新たに旅立つふたりの記念にしてみてはいかがでしょうか?

取材協力:EXELCO DIAMOND